リース契約とは、会社が設備投資をする際に、その物件を購入するのではなく、リース会社から長期間借りて利用する契約を指します。リース契約の事例としては、コピー機や複合機といったOA機器のほか、パソコン、サーバといったIT機器、デスク、ロッカーといった事務用品などや、電化製品など多岐にわたります。営業や配送などの目的であれば、自動車も社用車としてリース契約を結ぶこともできます。
リース契約の種類には、「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」の2つの種類があります。ここでは、それぞれの特徴や注意点について見ていきましょう。
ファイナンスリースとは、ユーザーが選んだ物件をリース会社がユーザーに代わって購入し、貸与するファイナンス(金融)取引です。日本で一般的に「リース」というときは、ファイナンスリースを指します。
ファイナンスリースでは、原則として、リース契約の期間中で中途解約はできないため、借りる物件をどのくらい利用するか、事前に計画を立てておく必要があります。また、物件の保守・修繕義務がユーザーにある点も、ファイナンスリースの特徴でしょう。
さらに、ファイナンスリースは「所有権移転ファイナンスリース」と「所有権移転外ファイナンスリース」の2つの取引形態に分類されます。
[所有権移転ファイナンスリース]
この形態の場合、リース契約期間満了後は、物件の所有権がユーザーに移転します。つまり、リース契約期間後も、借りていた物件を所有して使い続けることができます。
[所有権移転外ファイナンスリース]
この形態の場合、物件の所有権はユーザーに移転しないため、借りていた物件をリース会社に返却しなければなりません。リース契約期間満了後も引き続き物件を使い続けるためには、再度リース契約をし直したり、買い取りなどの費用を別途支払ったりする必要があります。
リース契約では、物件の所有権を誰が持つのかということは、料金プランにも関わる重要なポイントです。例えば、固定資産税は物件の所有権を持つ者が納める税金です。通常のリース契約では、リース会社が物件の所有者となり、ユーザーがリース契約期間中に支払うリース料にも、物件の購入代金のほか、金利、固定資産税、損害保険料などが含まれています。
オペレーティングリースは、リース契約期間が終了した後、中古市場性が見込まれる物件のみ貸与するリースのことをいいます。リース会社は、リース契約期間満了時の物件の中古市場での価値をあらかじめ見積もります。この中古価値を「残存価額(残価)」と呼び、物件購入価格から残存価額を差し引いた金額をベースに、ユーザーの支払うリース料を設定します。これを残価設定方式と呼びますが、ファイナンスリースに比べてリース料の支払い総額が少なくて済みます。
[オペレーティングリースで借りられる物件例]
輸送用機器(航空機、ヘリコプター、船舶、コンテナなど)、工作機械、産業機械、半導体製造設備、医療機器、印刷機械、建設機械(重機)、商業用設備など
オペレーティングリースの特徴は、ファイナンスリースと比較して、短い期間のリース契約ができる点にあります。ファイナンスリースでは、物件の法定耐用年数の60〜70%のリース期間を設定する必要があるのに比べて、オペレーティングリースでは、借り手の計画に合わせてリース期間を柔軟に設定することができます。途中解約ができるケースがあるのも、ファイナンスリースとは異なる点です。
また、オペレーティングリースの場合、物件の所有権は、リース契約期間満了後もユーザーに移転しません。ユーザーは物件を所有するわけではないため、資産として計上する必要がなく、物件の保守・修繕義務もリース会社にあります。
ファイナンスリースにおけるリース料は、金利や固定資産税などの諸経費を含めて、物件価格の115%程度に設定されるのが一般的です。例えば、物件価格が100万円の場合、リース料の総額は約115万円になります。このように、ファイナンスリースでは、物件を1回払いで購入するよりも、リース料の総支払い額が割高になります。
一方、オペレーティングリースにおけるリース料は、物件価格の90%未満に設定しなければならず、物件価格が100万円の場合、リース料の総額は最高で約90万円になります。
リース契約には多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。メリットとデメリットをよく検討して、利用するかどうかを決めましょう。。
リース契約のメリットは、必要な物件をすぐに利用できるところにあります。ベンチャーやスタートアップ企業など、資金調達のできていないフェーズでも必要に応じて設備を整えることもできます。しかし、それ以外にもメリットはあります。具体的にどのようなメリットがあるのか、確認してみましょう。
[常に最新の設備が使える]
OA機器やIT機器などの設備は、新しい技術を取り入れた物が次々開発されるため、年数が経過するとすぐに使い勝手が悪くなってしまいます。しかし、リース契約で設備を導入し、耐用年数に合わせたリース期間を設定すれば、常に最新の設備を利用することができます。
どこのオフィスにもあるコピー機や複合機は、その好例です。メーカー自体がリースサービスを展開していることもあり、最新の機能が搭載されている機材を借りられるだけでなく、コピー用紙やトナーなど消耗品の補充、メンテナンスなどもやってくれるサービスもあります。安い中古の機材を購入するのとどちらがお得か、ランニングコストも考慮しながら、よく比較検討してみましょう。
[少額で設備を導入できる]
リース契約では、導入時に多額の初期費用の必要がなく、月々わずかなリース料で設備を導入できます。そのため、余剰資金を運転資金に回すことができます。
[リース料を経費にできる]
設備を購入した場合は、減価償却分のみが損金となり、全額を経費扱いにはできません。しかし、リース契約で設備を導入すれば、毎月のリース料を全額経費扱いにできます。また、月額料金が一定のため、ランニングコストを管理しやすいといったメリットもあります。
とても便利に思えるリース契約ですが、利用のしかたによってはデメリットもあります。以下の点に注意して、リースを賢く利用しましょう。
リース契約する物件の所有権は、原則的にリース会社にあります。通常の利用において不都合は生じませんが、リース契約期間が終了した後もその物件の使用を希望する場合は、再度リース契約をし直したり、下取り購入したりするコストが発生します。
[中途解約ができない]
ファイナンスリースは、税法上、リース契約期間中に中途解約ができません。どうしても解約をしたいときは、残りのリース料を一括で支払い、契約を満了するしかありません。
[支払い総額が割高となる]
ファイナンスリースの場合、リース料金には、リース会社の手数料や保険料、金利、固定資産税などが含まれています。そのため、最終的な支払い総額は、購入するよりも割高となる場合があります。
スノーディスペンサー
販売価格550,000円(税込605,000円)
リース契約 60回リース、月々10,800円、総額648,000円(117.8%) リース率1.964%
※2023年1月現在の価格です。
※付帯工事が必要な場合は、別途費用となります。